■講演内容 |
講演1 「先端医療バイオロボティクス学の現状と展望」 |
林 衆治 氏(名古屋大学医学部先端医療
バイオロボティクス学講座 教授) |
名古屋大学医学部先端医療バイオロボティクス学講座では、バイオとロボティクスの融合による先端医療領域におけるtranslational researchを研究の主要テーマとし、現在肝硬変、糖尿病に対する肝膵再生医療、細胞治療法の研究、内視鏡手術支援ロボットの研究を行っている。
本講演では、本研究の現状と展望の紹介を行った。 |
講演2 「介護支援ロボットRI-MANの研究開発」 |
向井 利春 氏(独立行政法人理化学研究所
バイオ・ミメティックコントロール研究センター
生物型感覚統合センサー研究チーム チームリーダー) |
理研バイオ・ミメティックコントロール研究センターでは、介護現場で介護者の手助けできることを目指し、人と接して抱き上げなどの力仕事が行えるロボットRI-MANの研究開発を行っている。
本講演では、センサ系、情報処理系、駆動系等のRI-MANの特徴と今後の課題について述べた。 |
講演3 「国家財政と病院崩壊の危機」 |
川原 弘久 氏(医療法人偕行会 理事長・愛知県医師会 理事) |
現在、勤務医の病院からの転出が続いている。原因は週60時間を越える労働時間やそれに見合わない所得、患者からのクレームによるストレスである。そこには我国の医師数が世界の中で圧倒的に少ないことが根底にあり、短期的に医師不足を打開する手段は極めて少ない。現在よりも1.5倍の医師の養成を企てる必要があるが、破綻状況にある国家予算的には極めて厳しい。
地方債・国債・長短期借入金を加えると一千兆円とも言われているこの国の状況と、寸刻を争う医師の養成や女性医師への社会資本投下の必要性の狭間で、日本の病院医療の行く末を語った。 |